ふつう、呼吸しているだけで、自分が生きていると実感することはむずかしい。すごくおいしいものを食べたとか、大好きな人と手をつないだとか、生きていることがすばらしいと思えたとき、あるいは、その反対に生きていることが脅かされたとき、輪郭があらわれる。それ以外の時間だって、というよりも生きているほとんどの時間は、事件なんか起こらないのに、あるいは、事件が起こっていたとしても気がつかないのに、それでも、おなじように息を吸って、吐いているのに。

エアコンのフィルターの埃を落とすとき、カビを洗い流すとき、わたしたちは呼吸について考える。呼吸みたいに、あたりまえのことを考える。いままで見えなかったものを見ようとする。ぼくの部屋に、エアコンがあること。たぶん、きみの部屋にもあること。ほとんどの部屋の壁に、エアコンがあること。そのエアコンの、フィルターに埃が溜まっていること。カビが生えていること。まったくべつの場所に住んでいたとしても、おなじ時間を生きて、おなじ床に寝そべって、おなじぬくもりを感じていること。

ぜんぜんちがう仕事をしていたとしても、家族がいてもいなくても、恋人がいてもいなくても、男でも女でも、あるいはそうでなくても。そのことを、エアコンクリーニングは教えてくれる。

YOURMYSTARのメディア「YOURMYSTAR STYLE」の記事の取材で自宅のエアコンをクリーニングしていただき、その様子を動画に収めてYouTubeで公開したほか、エアコンクリーニングの詩を書きました。
https://yourmystar.jp/c0_1/c1_2/articles/shikasan-air-conditioning-cleaning/